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記憶の仕組みとAI

松田 昇

 

 「脳にハードディスクがあるわけではない」「記憶は上書きされる」(「バカと無知」新潮新書 橘 玲)という言葉が気になっていくつかの脳科学の本を読んだ。いったい記憶とは何なのかを知りたくなって。すると、どうやら記憶とは、神経回路のネットワークだということがわかった。できごとそのものをデーター化するのではなく、それにまつわることがらを含めてネットワークとして保存されるらしい。関連する言葉などといっしょに保存されるので、その言葉を思い出すとそのできごとも思い出される。ときどき他の情報や経験と結び付けられることで、記憶の歪みや誤りが生じることもあるし、新しい情報や経験によって既存の記憶が変化することもあるという。

  ここまで書いてAIに間違っていないか聞いてみると、間違っていないということだった。さらにいやな記憶は消してほしいのにと問うと、こう返ってきた。

 

 いやな記憶を消去したいという気持ちは、誰しもが経験することかもしれません。しかし、脳の仕組みから考えると、一度記憶が形成されると、それを意図的に消し去ることは容易ではありません。

 むしろ、いやな記憶に苦しむよりも、その記憶と向き合い、理解することが大切かもしれません。過去の経験は私たちの成長や学びにも繋がります。その記憶を受け入れつつ、そこから学び取ることで、未来に向けてより強く、成熟した人間として歩んでいけるでしょう。

 

  まさに優等生の回答だった。他にもいろいろ質問したり、私の代わりに続きを書いてほしいと頼んだりしたところ、どれも優等生の回答で私の文章ではなかった。ということで、今後このコーナーをAIに任そうとは思わないが、実は一つだけすでにAIにしてもらったことがある。あんとふるのホームページに使われているすずめの写真や、顔が写っていないアベックの写真、トップページの背景の写真はAIが選んだものである。ホームページ作成の過程でそうなったのだが、どうだろうか。こちらはお任せして良かったと思っているのだが。