デビットカードをつくるだけでこんなにも・・・

佐藤 敦子

 視覚障害のKさんとは買い物や用事に出かけています。その日はデビットカードを作りたいと銀行へ出かけました。

 Kさんは事前に他の店舗でカード作成のための必要書類を確認されており、スムーズに手続きできると思いカウンターに座りました。窓口の行員の方にデビットカードを作りたいこと、代筆をヘルパーが行うことを伝えると、担当者は「少々お待ちください」と離席し、なかなか戻ってきません。やっと戻って来たかと思ったら、カードの使用目的を繰り返し確認され、代筆は親族の方にお願いしたいと告げられました。しかしここには、Kさんとヘルパーの私しかいないので、普段市役所等でも代筆にて手続きしていること、今手続きをお願いしたい旨を伝えました。事情を伝えると、本部に確認しますとまた長時間待つことになりました。

 13時過ぎに着いて15時にシャッターが閉まるころになりました。視覚障害の方はデビットカードを作ることにこんなに時間と手数がかかるのかと私の気持ちは怒りでいっぱいになりました。でもKさんは静かに座って待っておられました。

 何度もこの様な体験をしておられるのかと、さらに憤りでいっぱいになりました。ようやく「本部から許可が下りました」と、誰もいなくなった支店で手続きができました。最後に「ここだけは自筆でサインをお願いします」と言われると指定された場所に名前を署名されていました。

 あとでKさんが「幼い頃、視力があったので署名できたけれど産まれた時から視力が無かったら署名できないやろうね」と言われ私はそのことに気が付かず自らを恥じましたが、同時にそんなことも想定していない銀行側にさらに憤りを感じる出来事でした。

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※後日この件について、石川県視覚障害者協会の米島理事長に見解を伺いました。

 本人の自署を求められるケースはあるので、練習をしたり、サインガイドという道具を使ったりということがあるそうです。中途失明の人は書ける人が多いそうですが、先天性の人は書けないので代筆ということになります。家族等の代理人があらかじめ書いたものを用意していくか、ヘルパーが代筆を許される場合は、資格証明書と本人確認の免許証などが必要ということです。どちらにしても、いきなり金融機関に行くと窓口の人も対応がわからず、本店に問い合わせるなど時間がかかるので、事前に連絡をしておいた方がいいということでした。